妊娠中は、体のいろいろな変化に「これって大丈夫?」と不安になる場面が増えます。SNSや検索でいろんな情報が出てくるぶん、かえって何を信じたらいいか分からなくなることもあるかもしれません。
このページは、そんなときのための目安をまとめた場所です。前半は「控えたいツボ・アロマ・ハーブティー」、後半は「こんな症状が出たら、どのくらい急いで相談すればいいか」の8つの場面です。
控えたい刺激・ハーブ——「絶対ダメ」よりも「知っておくと安心」
先にお伝えしたいのは、ここに挙げるものの多くは、医学論文レベルではっきり証明された話というより、「昔からそう言われている」「臨床の現場でそう扱われている」という性質のものだということです。断定はできませんが、知っておいて損はない情報として紹介します。
ツボ・マッサージ
- 三陰交(さんいんこう)・至陰(しいん)——「安産のツボ」として広く知られ、逆子(骨盤位)のお灸治療でもよく使われる有名なツボです。合谷(ごうこく)・太衝(たいしょう)も、陣痛を促す作用があると言われるツボです。使うタイミングや強さの見極めは自己判断が難しいこともあるので、迷ったら助産師や鍼灸師に相談すると安心です
- 足つぼマッサージやフットケアを受けるときは、担当の方に妊娠中であることを伝えておくと安心です。強い刺激を避けてもらえます
- 鍼灸そのものが妊娠中に禁止というわけではありません。資格を持つ鍼灸師に、妊娠中であることを伝えたうえで相談するのがいちばん確実です。女性専門・マタニティ専門をうたっている鍼灸師であれば、より安心して相談できます
アロマ(精油)
- クラリセージ・ローズマリー・ジャスミン——子宮を刺激する作用があるとされ、妊娠中(特に臨月より前)は控えた方がよいとされています。他にもセージ・シナモン・アニス・ジュニパーなど、控えるとよいとされる精油はいくつかあります
- 「アロマは天然だから安心」というわけではなく、香りの強い精油ほど、体への作用も強く出やすいと考えるとよいかもしれません
- 使いたいときは、妊娠中対応をうたっているアロマショップや、担当の助産師・アロマセラピストに相談すると安心です
ハーブティー
- ラズベリーリーフ——出産に向けて子宮を整えるお茶として知られていますが、実は「効果がある」という根拠自体、そこまで強いものではありません。使うとしても、目安としては妊娠32週以降からと言われています
- カモミール・センナ・ジャスミンなど、控えた方がよいとされるハーブはいくつかあります。「妊娠中でも飲めるブレンド」として売られているものを選ぶのが、いちばん簡単な見分け方です
- 迷ったら、パッケージの「妊娠中の使用」について書かれた注意書きを確認する、購入時にお店の人に確認する、が現実的です
受診の目安の4段階
- 今すぐ(救急要請も考える)——命に関わる可能性がある状態。ためらわず119番、または産院の緊急連絡先へ
- 今日中に相談——その日のうちに産院・助産師・かかりつけへ連絡する状態
- 数日以内に相談——今日中というほどではないが、様子を見ながら数日のうちに連絡しておきたい状態
- 次の健診で相談——急ぐ必要はないが、次に会うときに伝えておきたい状態
以下、8つの場面ごとに見ていきます。
1. 出血がある
赤い血が出てくるときは今すぐ、産院に連絡してください。量の多い少ないにかかわらず、まずは連絡することが大切です。茶色っぽいおりものが少し混じる程度であれば、次の健診で伝える程度で大丈夫なことも多いですが、迷ったら電話をして状況を伝えてください。
2. お腹の張り・痛みが続く
横になって休んでも、1時間に何度もお腹が張る、痛みを伴う張りが続くときは今すぐ、産院に連絡してください。休めば治まる程度の張りであれば、次の健診で伝える程度で様子を見てよいことが多いですが、これは目安であって保証ではありません。気になるときは、次の健診を待たずに連絡してかまいません。その日の活動は控えめにして、無理をしないでください。
3. 胎動が乏しい
いつもより胎動がはっきり少ない、感じられないというときは今すぐ、産院に連絡してください。「様子を見よう」と一晩迷うより、その場で確認してもらう方が安心です。
4. 破水したかもしれない
水っぽいものが流れる感覚があった、持続的に漏れる感じがするときは今すぐ、産院に連絡してください。尿もれとの見分けが難しいこともありますが、迷ったときこそ連絡してください。
5. これまでにない頭痛がある・むくみが強い
血圧計を自宅に置いている方は多くないので、むくみだけで妊娠高血圧症候群のサインに自分で気づくのは難しいものです。軽いむくみだけであれば、比較的よくあることなので次の健診で伝える程度で様子を見てよいことが多いです。ただし、これまでに経験したことのない頭痛があるときは今すぐ、産院に連絡してください。
6. 38度以上の熱がある
38度以上の発熱があるときは、今日中に産院やかかりつけに連絡してください。お腹の張りや下腹部の痛みを伴うときは、体温だけで様子を見ず、早めに連絡してください。
7. めまい・立ちくらみがある
軽いめまいで、ゆっくり動くようにすれば落ち着く程度であれば、次の健診で伝える程度で大丈夫です。日常生活に支障が出るほど強い、繰り返すというときは今日中に相談してください。
8. かゆみが強い
肌のかゆみは、次の健診で伝える程度で急ぐ必要はありません。ただし、次の健診まで待てないほど不快なときは、妊娠していることを伝えたうえで、皮膚科を受診してもかまいません。
迷ったときに、まず電話していい相手
- 通っている産院の産科外来・助産師外来
- 母子健康手帳に載っている、お住まいの地域の保健センター(保健師につながることが多いです)
- 症状が強い・命に関わりそうだと感じたときは、迷わず119番
「これくらいで電話していいのかな」と迷うこと自体、妊娠中にはよくあります。判断に迷うのは当然のことで、遠慮する理由にはなりません。今日、これを読んで「大丈夫そう」と思えたなら、それも立派な確認です。



